生活直撃!ハイパーインフレとその対策について(その3)


今回はインフレに関する3回目の記事として、万一ハイパーインフレが起こりそうになった場合の対処法について書こうと考えていたのですが、つい先日(2022年9月8日)、非常に気になる記事を目にしましたので、まずこの内容について触れたいと思います。

「日本は一晩で“ハイパーインフレ”になる」は、本当か?日本は世界の“孫請け”国に…?生き残る道とは

最近、四半世紀ぶりに1ドル140円台に突入しましまが、アメリカがインフレ抑制のために金利を上げる政策を取っているのに対して、日本では相変わらずのゼロ金利政策を続けていることもあって、

「これほど有利な取引は人生でめったにない」

といった思惑から、日米の金利さを利用して円売り、ドル買いで儲け続けているスイスのヘッジファンドのことが紹介されていますが、このファンドのエドゥアール・ドラングラード氏は、

「円安は170円まで行くかもしれません。

(中略)

もし日米の金利差が4%か5%になれば、日本人も皆、円を売ってドルを買うでしょう。そうすればドルは上昇を続け、円は下落し続けます。

(中略)

日銀が長期金利を抑え続けていると、インフレは手が付けられなくなり、日本は一晩でハイパーインフレになる可能性があります。日本人はこの政策によって貧しくなるでしょう」

*「日本は一晩で“ハイパーインフレ”になる」は、本当か?より引用、一部改変

このようなコメントをされているようです。

前回の記事の中で、ハイパーインフレは「その国家の信用が失われると発生する」と書きましたが、現在の日銀の政策は「意固地」とまで言われて世界中から奇異の目で見られていますので、確かにこのままの政策を継続するといずれ世界中から孤立して、信用が失われてしまうかも知れません。

ただ、来年4月8日に現在の日銀黒田総裁の任期が切れますので、次の総裁に変わるとなんらかの政策変更が行われることは間違い無いような気がします。

黒田総裁としては、長年続けてきた「ゼロ金利政策」の金融緩和を、残りの任期が半年くらいしか無い中で、今更政策変更はできないといった考えもあることでしょう。

問題はそれまでの残り約7ヶ月で、果たしてどこまで円安が進むのか?

それにしても先程引用した文の、

「日銀が長期金利を抑え続けていると、インフレは手が付けられなくなり、日本は一晩でハイパーインフレになる可能性がある」

この箇所はゾッとする話ですね。

しかし元日本銀行理事の早川英男氏は、先程の発言に対して、

「言ってることに正しい面もある」

と肯定しながらも、先程のエドゥアール・ドラングラード氏に対し「彼は極端すぎる」として、実際にはそれほどのことは起こらないだろうとも発言されています。

なぜ彼がそう思うのか、あるいは日銀関係者間で政策を批判し合うのがタブーなのかは分かりませんが、気になる方はぜひ記事の全文を読んでいただければと思います。

「日本は一晩で“ハイパーインフレ”になる」は、本当か?日本は世界の“孫請け”国に…?生き残る道とは

ただ、この早川英男氏は、近い将来に(ハイパーインフレが)あるとは考えていないと前置きした上で、

「恐れるべきは日本人が円を売る時、これが一番怖い」

とも言及されています。

これは要するに南米などで時々起こる、自国民が自国通貨を信用できなくなって、外貨預金や外国株式のETFに交換し始めた時が怖いという意味で、この場合は日本でも激しいハイパーインフレになる可能性があると警戒すべきでしょう。

繰り返しますが、日本でハイパーインフレが起こるとすれば、

「日本人がこぞって円を売り、外貨預金や外国株式ETFを購入する時」

が最も可能性が高い。

ちなみに記事の中にも書かれていますが、実際にはNISAなどでも日本株を買う人が減ってきているとのことで、まだ一部だけとはいえ、キャピタルフライト(資本逃避)が起こり始めていることには注意する必要があるでしょう。

そういう私も数年前からS&P500ETFや金を購入したり、確定拠出年金を外国株式中心に切り替えるなど、少しずつですがキャピタルフライトを実施しており、昨今の日米の金利差を見て、来年以降は更に外貨(又はETF)購入を加速しようと考えています。

そう、今回書こうと考えていたハイパーインフレの対処法の一つは、間違いなく日本円から外貨(主に米ドル)、外国株式、もしくは金などの換金性の高い「物」に交換しておくことで、学校でファイナンシャル教育を実施していない日本以外の国では、これはもう当たり前過ぎることでもあるのです。

日本ではまだ欧米のような激しいインフレは巻き起こっていませんが、これは日本人のファイナンシャルリテラシー(金融の知識)が極端に低く、そのために例えばNISAのような金融商品の利用者も少なく、S&P500ETFのような米国株式を中心としたインデックス投資(米国人の中では常識中の常識)などは、その意味も分からない人が多いことが奏功しているのかも知れません。

しかし例え多くの日本人が知らなかったとしても、インフレは少しずつ燃え広がる火災と同じで、あるタイミングを過ぎると手もつけられないような大火となって襲いかかるかも知れません。

その大火から身を守るのはやはりファイナンシャルリテラシーを身につけることしかないはずで、このブログがその一助となれば幸いです。

さて、インフレの話題も3回目となりましたので、次回でとりあえずのまとめにしたいと思います。

それではまたお会いしましょう。


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