株式会社UPDATERが、2022年8月30日(火)に開催する『みんなの働き方EXPO』でのセッションテーマの一つである「誰も取り残さない働き方〜人生100年時代!50歳からの幸せ〜」に関する緊急調査として、50代の男性会社員106名を対象に、50代男性の幸せな働き方に関する意識調査を実施したとのことですが、非常に考えさせられる結果が出ていますので、このテーマについて少し考えたいと思います。
まず最初の質問は「毎日がなんとなくつまらない」「なんとなく不安」のいずれかに当てはまるかというものですが、結果は以下の通りとなっています。
「毎日がなんとなくつまらない」「なんとなく不安」と考えている50代男性が、「かなりある(21.0%)」「ややある(54.0%)」を足してなんと75.0%!
4人中3人が「つまらない」「不安」と考えているとは、ある意味、日本社会の働き方について非常に重要な課題を投げかけているように感じますね。
本来なら働き盛りの中核のような世代が、つまらなくて不安な毎日を過ごしている。
そして一方では「働かないおじさん」と陰口を叩かれたりする人も少なからず存在する。
これでは日本の生産性が先進国最低水準というのも大いにうなずけますね。
そしてその理由を見ると、容易に想像できる通り「今の仕事に閉塞感を感じているから」が56%と、圧倒的な多数派。
終身雇用が日本が誇る雇用形態だなんて会社に縛り付けたとしても、50代男性の多くが疲れ果てて、ただ会社にしがみついているだけといった構図が見え隠れしますね。
自由回答欄には次のような言葉が並んでいるようですが、皆さんはこのコメントを見てどう思われますか?
・51歳:仕事自体が楽しくない。
・54歳:毎日同じ事を繰り返して時間を無駄に過ごしているような気がしてならない。
・58歳:これから伸びる職種ではないので。
・52歳:社員の向いている方向がバラバラで、将来が不安になる。
・56歳:将来の仕事内容・処遇の変化が不安。
・55歳:会社の人間関係に不信感がある。
・59歳:コロナ禍での仕事量の減少。
*出所:【50代男性の今の働き方は絶望・希望どちらに近い?】75%が「毎日がなんとなくつまらない」「なんとなく不安」と閉塞感を感じる
これでも転職できないとしたら、本当にメンタルがおかしくならない方が不思議な気もしますが、昨今、どこの会社でも軽うつやメンタルの不調を訴える人が増えているようにかんじるのも、あるいはこのようなことが原因なのでしょうか?
そして「今後、ポジティブなキャリアを形成するために、どのようなことを求めていますか」といった質問に対しては、「ワーク・ライフ・バランスの実現(39.0%)」「いきいきとした職場選び(36.0%)」「いつまでも挑戦し続けられる労働環境の整備(25.0%)」といった回答が上位を形成。
結局、みんな分かっているんですね。
今の職場にいたままで、突然「ワークライフバランスが改善」されたり「いきいきとした職場選び」ができるわけもありませんので、内心では転職を真剣に考えるか、あるいは起業する以外にないことが分かっている。
しかしそれができない。
だからといって今の職場環境が改善されるわけでもなく、「毎日がなんとなくつまらない」「なんとなく不安」と考えながら今の会社にしがみついている。
この調査のまとめとして、
「新型コロナウイルス感染症の拡大により、働き方は大きく変化し、テレワークや多拠点居住は珍しいことではなくなりました。キャリアを積み重ねてきた50歳の働く男性にとって、社会環境の急速な変化は不安を感じずにはいられず、変化の激しい今だからこそ今後のキャリアが不透明だと実感している」
このようなコメントの記載がありますが、コロナ以前から「働かないおじさん」問題がクローズアップされていたように、おそらくコロナが無くても50代男性の大半は「つまらない」「不安」といった感情を押し殺しながら働いていたのでしょう。
本来ならば働き盛りの50代男性が、これまで最低レベルのモチベーションで仕事をしていたとしたら、日本で長らく給料が上がらなかったことも、先進国最低レベルの生産性と言われ続けてきたことも、当たり前すぎるくらい当たり前のことかも知れません。
「少年よ大志を抱け!」ではありませんが、「中高年よもう一度立ち上がれ!」
そのためには複数の収入の流れを作り、いざとなったらいつでも会社を辞めることができるといった、心の余裕のようなものが必要なのだろうと思います。