前回の「老後お化け屋敷理論について」の中でも軽く触れましたが、プチリッチな生活を送るためには欠かせないものが投資。
これは老後の生活も現役生活でも同じことだと思いますが、お金に不自由していない人の中の多くの方は若い頃から投資に関心を持ち、いわゆる貯金一本槍という人が少ないような印象がありますね。
それはなぜか?
今回は2020年1月22日に幻冬舎のGOLDEN ONLINに掲載された以下の記事を題材にして、預金と投資について少し考えてみたいと思います。
この記事の冒頭にはいきなりこんなフレーズが書かれています。
「お金持ちの多くは、資産にまつわる知識を持ち、将来必要になる金額を前もって準備しています。これは、なにも老人に限った話ではありません。若い資産家も、こぞってリタイア後のための資産形成をしています」
この文章は非常に考えさせられますね。
「お金持ちの多くは若いうちからリタイア後のための資産形成をしている」
これがいわゆるゴールからの逆算ですが、仮に60歳でリタイアするとして、
・年金が支給されない60〜65歳の間にいくらのお金が必要か?
・その後、年金が支給されるようになる65歳以降にいくらのお金が不足するか?
・自宅のリフォーム、いざという時の備え(いわゆる予備費)にいくら必要か?
これらの想定値から目標値を設定し、着々と準備を進めていく。
これを20代、30代から進めていくことができれば、その人いずれがプチリッチな生活を送る可能性は相当高いでしょう。
しかしその準備には貯蓄と投資の両方を活用することが必須条件になってきます。
貯蓄(貯金)は原則として元金が保証されているのに対して、投資はしばしば元本割れを引き起こします。
多くの方が「投資は危険、預貯金をしていれば安心」と考えるのはやむを得ないことですが、しかし預貯金の価値も目減りする可能性があることをご存知でしょうか?
預貯金の1万円は口座に貯金している限り、1万円のままであることは間違いないにしても、昨今のように物価が上昇(インフレ)していくと、元々1万円で買えていたものが買えなくなってしまいます。
米国やお隣の韓国では急速にインフレが進み、短期間で2倍近い価格になるケースも散見されているようですが、これは実質1万円の価値が目減りしたことに他なりません。
もう少し具体的に書くと、60歳で受け取った退職金の2,000万円を大手銀行に預けておいたとしても、10年間に2倍のインフレが進めば、実際に使おうとした70歳の頃には1,000万円の価値しかないということになります。
また、今後は「口座管理手数料」を導入する銀行が増えてくると推察されますので、この場合は預けているだけでお金が減っていくことになり、更に減額されてしまいます。
日本では長らくデフレが続いたため忘れがちになるものの、預貯金はインフレに弱いは永遠の真実と言えるでしょう。
投資は株式、投資信託、債券、不動産、外貨など様々な形態があり、お金が増えることもあれば減ることもありますが、通常はインフレ以上のリターンを得る可能性が高い。
そして投資のリスクを極力下げて、効率良くリターンを得るための手法として「長期」「分散」「積立」がご紹介されていますので、詳細は以下の記事をご参照ください。
もちろんリスクの高い投資に全財産を移行させるのは考えものとはいえ、今後益々インフレが想定されることを考えると、貯蓄と投資のバランスを考えた運用が不可欠なことは間違い無いような気がします。