前回の記事でサラリーマンの定年について触れましたが、現行制度によれば65歳まで雇用延長することが可能な会社がほとんどで、見方を変えれば現在の日本社会は「65歳定年」と言えないこともありません。
しかし大抵の会社の場合、60歳以降は雇用延長社員として、それまでの給与の50〜70%程度の賃金になるのが普通で、その他手当の削減も含めれば、50%以下になることも珍しくない。
しかし給料の減少以上に大きな課題になるのが大幅なモチベーションの低下でしょう。
雇用延長後は大幅に給料が減額されるだけでなく、役職からも外れ、自分の後輩を上司として仕事をする不自由さをどう考えるべきか?
そもそも60歳までは「社員」だが、60歳を越えれば「契約社員」として再雇用されるということで、あらゆる役席から外され、あらゆる会議にも呼ばれなくなり、いきなり軽作業かほとんど仕事とも言えないような仕事が当てがわれるケースもあり、単にわずかな給料のために無為なな時間を過ごしているだけとなると、いかにも勿体ない!
ちなみに2022年2月2日付の記事でも以下のようなもの見かけましたが、この中にも役職定年後の50代社員や再雇用の当事者である60代の社員は、「仕事の内容は以前とさほど変わらないが、給与は激減し、モチベーションの維持ができない」と書かれています。
しかし、これは誰が考えても当たり前のことでしょう。
再雇用社員のモチベーションが上がらない理由―「働かないおじさん問題」に悩む人事が今考えるべきことは?
シニアといっても現在の60歳は昔とは比べ物にならないくらいに若く、身体が動く貴重な60代の時間を、ストレスの溜まるくだらないことに費やし、いざ65歳か70歳で退職し、自由な時間が持てるようになった時には身体が動かないでは洒落にもなりませんからね。
定年延長を制度化しているごく少数の会社は例外かもしれませんが、60歳を超えたら貴重な残りの人生を、いったんオールクリアして考えるのも自然なことではないかと考えています。
ちなみに前回、宅建士、管理業務主任者、FP2級の資格を持っていると書いたが、別に不動産会社や金融機関などで働いているわけでも無いし、今のところその予定もありません。
60歳で今の会社を卒業したあと、できれば何年間かは不動産会社でバイトをして、仕事を覚えるのもアリかもと考えることもあるが、それも今後の状況次第といったところ。
資格を持っていると、一度その資格を活かした仕事も経験してみたいといった選択肢は広がるが、
知識として知っていたとしても、実際には経験を積まなければ使い物にならないことが多く、結局のところ無いよりはマシくらいでしか無い。
したがって、資格を取ることで会社退職後も安泰ということは決してありませんので、現在資格取得のために勉強されている方も、あくまでも自分の知識の幅を広げることを目的とするか、もしくはお守りがわりくらいの感覚でいた方がいいように思います。
ちょっと話題がそれましたが、60歳定年の会社に勤めている多くのサラリーマンの方は、60歳を過ぎたらエスカレーター式に雇用延長をするのではなく、できるだけ60歳代の早いタイミング(可能ならば60歳前)で会社に頼らなくてもいいように準備することが大切なのだろうという気がします。
それでも多くのサラリーマンは、モチベーションが低下することが分かっていても、準備不足で雇用延長を選択するのですけどね。
それではいったい何を、どのように準備すればいいのか?
これらのことについて、次回からはもう少し具体的に書いていきたいと思います。