年金について考えてみる(後編)



今回は年金についての私なりの見解のとりあえずのまとめとして、太田彩子さんが2022年10月4日に投稿された以下の記事について取り上げたいと思います。

75%の悲鳴「年金だけで暮らせない!」受給額の実態を5歳刻みで考察

ちなみに太田彩子さんのことは私自身存じ上げてなくて、まずは彼女のプロフを確認してみましたが、京都府出身の女性で、大学卒業後にくらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』の編集部で、公的年金制度や金融の情報を中心に執筆中とのこと。

その前は地方自治体の公務員として、「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の仕事に従事していたそうですので、主に本から得た知識だけの私と違って、実際の業務に裏打ちされた知識を有する実践派。

主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担われていたそうですので、これらの知識に詳しいはずですし、上記記事を読んでみても非常に丁寧でしかも正確。

彼女は上記記事の冒頭に、

『すでに75.1%の高齢者が「年金だけで生活できない」状態に陥っているのです』

と書かれていますが、これはまさにその通りでしょう。

と言うか、そもそも年金だけで生活できる人が25%(4人に1人)もいる方がむしろ驚きかも知れません。

年金だけで生活するなんて考えはとりあえず忘れて、これまでの記事でも書いた通り、厚生年金といった大黒柱に、企業年金、確定拠出年金(もしくはiDeCo)、貯金、株式(もしくはNISA)などの+αの部分を積み重ねていく姿勢が大切。

とはいえ、その他の+αを早いうちから準備を進めることの重要性を理解した上で、それでも大黒柱が厚生年金であることを決して忘れてはいけません。

国民年金受給予定者の中には「どうせ将来年金なんて貰えないから」と、毎月の年金支払いを拒否して、無年金の道を選ぶ人もいるようですが、はっきり言ってこれは最悪中の最悪のやり方だと思います。

あまり自分のことを書くのもどうかとは思いますが、私は現時点で少なくとも2,000万円以上の貯金とある程度の株式、1軒の賃貸用不動産を保有しており、それ以外にも企業年金、確定拠出年金、S&P500ETFの積み立て投資を続けています。

もちろん65歳から受給予定の厚生年金は、いわゆる平均を超える金額を受け取る予定ですし、退職金も世間並みには受け取れる予定ですので、はっきり言って老後の心配をしたことがない。

それでもあえて後悔していることと言えば、S&P500ETFの定額積立投資を、私が始めた年よりせめて10年くらい早くやっておけばよかったと考えていることくらいですかね。

なお、太田彩子さんの上記記事によると、

2年前の調査では(年金で)100%生活できる高齢者が48.4%でした。大幅に減少していますね』

とのことですので、わずか2年で48.4%から24.9%に半減している真偽はともかくとして、物価高などで少しずつ生活しにくい環境になっているのですかね?

(本当に2年前は半数近くの人が年金だけで暮らしていたというのは、少し信じ難い数字のような気もしますが…)

そう言えば最近タレントの千秋さんが、海外を旅行されていかに日本の物価が安すぎるかに衝撃を受け、「日本やばい」といった記事を投稿されていました。

千秋、海外の長旅から帰国し「日本やばい」「井の中の蛙。世界を知らな過ぎる」

要するに世界標準から言えば現在の日本の物価高なんて全く取るに足りないどころか、先進国最低レベルの物価水準であることを痛感されて、

『あんなに経済的に強かった日本はもういないんだなあ』

としみじみとつぶやかれていますので、もしかしたらいずれ日本の物価も、世界中のインフレに引っ張られて現状の2倍くらいまでは跳ね上がるのかも知れません。

こうなると株式以外に金などへの投資も考えるべきかも知れませんね。

(私は以前800万円くらいの金を保有していた頃もあるのですが、あまり深く考えないままほとんどを売ってしまい、今は1オンスコイン6枚、金額にして160万円弱くらいしか残っていません)

前回の記事に書いた通り、厚生年金の主な弱点は以下の2点で、

・インフレに弱い
・収支バランスが崩れると減額になる

このうちのインフレ対策としては、不動産や金などの「モノ」に投資することが最大の防御策となることは間違いありません。

いずれにせよ長期インフレの流れはしばらく止まりそうにありませんので、貯金だけに頼り、年金を軽視する人は、ますます不利な立場に追いやられていくことでしょう。

(年金もインフレに弱いとはいえ、物価変動があるだけ貯金に比べるとマシですので)

想定以上のインフレになった時、またバカマスコミと一緒に「政府が悪い!」と叫んでも何も変わりませんので、今のうちから海外の事例を参考に、少しでも準備を進めておくべきですね。

また、太田彩子さんの記事に戻りますが、後半の箇所に、

『若い世代では「老後資金は自分で貯める」が当たり前となりつつあります』

といった記載があります。

このコメントを見る限り最近の若い世代は、私のような昭和生まれ世代と違って、しっかりした考えを持った人が多いようですね。

これは一度も日本が景気の良かった時代を知らない影響ですかね?

私は20代の頃に「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバートキヨサキ)を読んで衝撃を受け、彼の書くシリーズ本を7〜8冊通読すると共に、ロバートアレンの「実践億万長者入門」、橘玲氏の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」、トマス・スタンリー氏の『となりの億万長者』など、いわゆる金持ち本を片っ端から読み漁っていた時期があります。

(ちなみに「金持ち父さん貧乏父さん」は自分用、妻用など、4冊購入しました)

この癖は今でも抜けず、あれから25年以上経ったここ最近でも10数冊の関連本を買っていますし、もちろん株式関係の本も今までに200冊以上を読破しています。

株式本で言えば、ピーターリンチの「株で勝つ」やジム・クレイマーの「株式投資大作戦」、「タートルズ」関連の本はもちろん、歴史的名著と言われる「ウォール街のランダムウォーク」、今では古書でも数十万円の価格で取り引きされている「相場の波で儲ける法」(マーク・ファーバー)なども所有しています。

(「相場の波で儲ける法」はAmazonでも479,185円の価格がついています)

振り返ってみれば、ある程度の金融資産を作ることができたのは、過去に多数の本を読んできたことが非常に大きかったですし、ファイナンシャルプランナー2級の試験も、テキストや問題集を1冊も購入せずに一発合格していますので、人並み以上にお金に関する知識があったことは間違いありません。

自慢のような話で申し訳ありませんが、金融(お金)に関する知識を持つことは、それほど強力な武器になります。

それだからこそ、S&P500ETFの定額積立投資に取り組み始めたのがわずか5年前というのに対しては、本当に悔しさしかありません。

もし今から15年前から取り組んでいたとしたら、私の金融資産はおそらく今の2倍くらいに膨れ上がっていたことでしょう。

最後はまとめにもならない内容で恐縮ですが、まずは「ファイナンシャルリテラシーを高める」ために、関連する知識を貪欲に身につけて行くこと。

このことだけは決して忘れてはいけません。

そうすれば「年金なんてどうせ将来貰えなくなる」なんて、バカマスコミが言っていることなんて全く気にならなくなりますし、むしろ「年金を柱にして、どうやって+αを積み重ねて行くか」といった前向きな発想に切り替わって行きますので、少しでも将来の不安が軽減されて行くのではないかと思います。

では、年金についての話題はとりあえずこれくらいにして、次回はまた違う話題を取り上げさせていただきます。

それではまたお会いしましょう。


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