黄金の15年に向けて(後編)


今回は前回の続きとして、神戸松蔭女子学院大学教授の楠木新氏が2020年10月16日付で公開し、2022年7月7日付で更新された以下の記事について更に考えて行きたいと思います。

「定年後を“黄金の15年”にできる人」と「人生に悔いを残す人」を分ける50代の働き方 

前回の記事の中で、

定年を迎えてから「第2の人生」について考えるのではなく、現役のうちから次のステップへの準備を始めることが大切です。

といった楠木氏のコメントを引用しました。

このコメントは何度強調しても強調し足りないくらいですが、振り返ってみると受験勉強にしても、スポーツにしても、定年後の準備にしても全て基本は同じで、

・人より少し早めに始める

・人より少しだけ頑張る

おそらくこの2つがポイントになるだろうと思います。

しかし、現実はなかなかそううまくは行きませんね。

上記記事の中で楠木氏が書かれているコメントをいくつか引用してみます。

「しかし実際は、在職中から定年後のことを考え、行動に移す人はごく少数です」

「大半の人は日々の仕事に追われて気になりながらも何もせず、そのまま50代を迎えます」

「しかし、やはり多くの人は、会社中心の生活を変えることができないまま、定年退職を迎えます」

※出所:以上のコメントは全て「定年後を“黄金の15年”にできる人」と「人生に悔いを残す人」を分ける50代の働き方  から引用

結局のところ、おそらくこれが多くの方の現実だろうと思います。

ただ、いつかの記事で取り上げた「老後2000万円問題」が発表された時も、私の周囲では両極端の2つの意見がありました。

 今更2,000万円と言われても、定年までにそんなお金を準備できるわけがない!

 老後2,000万円と言われても、そんな少額で足りるわけがない!

①の発言をされたのはもちろん全く準備が間に合っていない人。

②の発言をされたのは余裕で定年までに2,000万円準備できるか、もしくは既にそれ以上の金融資産を持っている人。

これは私の周囲だけでなく、日本中あらゆるところでこのような意見の対立があったのではないかと思います。

こんなことを書くと多くの人の反感を買うかもしれませんが、早い時点から準備をすれば、定年時に2,000万円準備するなんて何とでもなるような金額でしょう。

例えば喫煙者を例にとれば、20歳からタバコを喫い始めて定年の60歳まで喫煙を続けたタバコ代(仮に1個500円)を、もしそのまま積み立てて運用したらどうなるか?

月末ごとにタバコ30個分の15,000円(500円×30日)を積み立てて、金利3.5%半年複利のETFで運用したと仮定すると、そのトータル金額は税引で1,319万円以上になります。


・元本:500×365×40年=730万円

・利息:752万円

*税引:1,319.4万円


なんと、1日1個のタバコ代を積み立てるだけで、老後2,000万円問題の6割方が達成!

これこそタラレバの計算ですが、しかし20歳から月15,000円を40年間積み立てるだけで、金利3.5%の半年複利なら、誰でも1,300万円以上のお金が貯まっていると考えると、複利の力はすごいと思いませんか?

なお、S&P500ETFは1957年に導入されて以来、平均利回りが年間10.7%を記録しているとのこと。

過去60年以上、平均すると年間10%以上の利回りを継続してきたとしたら、上記シミュレーションの3.5%の金利なんて楽勝ですね。

ちなみに上記シミュレーションの金利3.5%を10.0%にすると、月1.5万円の積み立てでも40年後には5,000万円以上に達します。

https://www.kushim.co.jp/media/sp500

この記事を書きながら、「定年までに2,000万円なんて楽勝!」と考えている私でさえ、このシミュレーションを眺めながら、もっと早く始めておけばよかったと、つくづく後悔している次第です。

いやはや、後悔先に立たずとはよく言ったものですね。

なお、S&P500ETFなどの積立投資を研究、実践を考えている方は、まずは口座だけでも開設しておきましょう。

早くから始めれば苦労もなく老後2,000万円問題をクリアできるのに、多くの人はどうしても後回しになって手遅れになる。

こんな過ちを繰り返さないためにも、定年後の準備は遅くとも50代から始めること。

このことだけは常に意識しておきたいものですね。

ではその準備は何から始めるべきか?

それこそ関連本を読み始めることでも、積み立て投資を始めることでも、セミナーや通信講座を受講するでも、副業の研究を始めることでも、何でも構いませんので、まずは第一歩を踏み出すこと。

この第一歩を踏み出すことが最重要のポイントと言えるでしょう。

ちなみに楠木氏も記事の中で、

役職定年や定年退職を迎えたあとも充実した人生を送るために必要なのは、「会社の仕事に代わる柱」を見つけることです。私のように会社とは別の仕事に取り組むのもいいし、趣味やボランティア、学び直し、地域の活動などでもいいでしょう。

※出所:「定年後を“黄金の15年”にできる人」と「人生に悔いを残す人」を分ける50代の働き方

このようなコメントを書かれていますので、是非とも「会社の仕事に代わる柱」を見つける第一歩を踏み出しましょう。

とはいえ、私も未だ探索中ですので、あまり大きなことを言える立場ではありませんが…

なお、記事の後半には「一番大事なのは、好奇心を持ってとにかく動いてみること」の言葉もありますが、これこそ私自身が自分自身に言い聞かせている言葉でもあります。

充実した「黄金の15年」を過ごすために、遅くとも50代から定年後を見据えて行動することを肝に銘じて、お互い頑張って行きましょう。

なお、上記記事の全文を読まれていない方は、ぜひご一読されることをお勧めします。

「定年後を“黄金の15年”にできる人」と「人生に悔いを残す人」を分ける50代の働き方 

次回はまた違う話題をご紹介したいと思いますので、楽しみにしてください。

それではまたお会いしましょう。


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